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経絡の概念
 一般に中国医学の診断と治療の基礎となっているのは、三陰三陽、つまり12の経脈であります。
 経脈は12の正経と8の奇経から構成されています。 12の正経は、それぞれ固有の
五臓六腑に帰属し、絡脈により連絡しあっています。
    経脈とは縦の脈を意味し、体を縦に走る主要な脈をさします。 これに対し経脈から分かれて
横に走り別の経脈に連絡している支脈を絡脈と言い、二つを合わせて経絡と言います。
気血の関係は、「気」が陽で「血」が陰の性質を持っており、経絡の流れは血が経中を流れ、気は経の外
から血を動かしていると考えられています。
つまり「気」が流れている処が経絡で、この変化が診断と治療の対象となります。
 経脈の理論によれば、それぞれの経脈は特定の複数の症候及び病気と結びついています。
 12の経脈は全身を走り、臓腑を初め全ての器官に分布しています。 従って一つの経絡系が
覆う区域をその流域と呼ぶならば、全身は12の流域によって覆いつくされています。
 ある流域に何か病変が現れると仮定すると、その時には流域を支配する経脈の脈拍に乱れが
生じます。
つまり、経絡が邪気に冒されると、拍動に乱れが生じ、その脈に属する症候が現れ、病が発生
するのです。
病変と脈の乱れはどちらか一方が原因で他方が結果と言うのではなく、両方が呼応し合う
関係にあります。
したがって、脈の乱れを正常にもどすことにより、病を治すことが出来るのです。 
経絡治療をフリー百科事典であるウィキペディア(Wikipedia)で検索すると
以下のように記載(抜粋)されています。

「経絡治療の本治法とされているものは四診によって知り得た五臓六腑と経絡の虚実を『難経
81難』六十九難による発想を以て選穴した要穴に鍼術を施し気血のバランスを調整するというものである(日本鍼灸医学より)」

上の記述から分かるように日本鍼灸医学会は、治療法として「難経」の中の69難1編だけを
推奨し又、ほとんどの経絡治療化も69難だけを運用しているようです。
「難経81難」には、治療法として、69難、75難、77難それに81難の4編が記載されています。
どうして69難の治療法しか使わないのでしょうか?
効果がないと言うのであればしかたありませんが、69難の治療で解消できない病が改善できるのです。
本来経絡治療とは四診方によって知り得た五臓六腑の経絡の虚実から、
『難経81難』(中国最古の医学書の一つ)に記載されている4種類の
治療法(六十九難、75難、77難そして81難)からいずれが適応
するかを選びその治療原則にそって選穴した要穴に鍼術を行ない、
気血のバランスを整える方法です。
理由は分かりませんが、現在経絡治療家は難経」の69難型の治療は、陰経の虚だけしか補いません。
陰経を決して瀉すことはしません
黄帝内経「霊枢」の経脈10には12経脈の記述の後にそれぞれ
「実すれば瀉し、虚すれば補う・・・云々」と、あります。
又、「難経」の76難には陰経が実した時の瀉する方法が記載されています。
いったい誰が陰経を瀉法してはいけないと決めたのでしょうか

この誤解された解釈の為に、治療法のほとんどが未使用のまま放置されています。
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その理由として、現在の経絡治療家は何故か陰経を上で述べたように決して瀉方しません。
「難経」には治療法として、「69難」、「75難」、「77難」そして「81難」の4種類が記載
されています。これら全て陰経の実を瀉方しなければ、治療はできません。
したがって、特に「75難」、「77難」そして「81難」の3種類の治療法が不明なまま放置されています。
現在経絡治療家は、「69難」については、2陰経を補う治療を行っています。同様に陰経の実を瀉方しません。
例えば肝虚と診断した「証」には 陰谷と曲泉を補う治療を行っています。
何度も言いますが肝虚には肝虚脾実と 肺実肝虚の2種類の「証」があります。
難経の69難には、以下のような記載があります。
「虚者補其母.實者瀉其子.當先補之.然後瀉之」。
(意訳:虚する時はその母を補い、実する時はその子を瀉す、当に先ず虚を補い、然る後に実を瀉すべし。)
このように陰経の実を瀉方しなければ、満足できる治療は期待できません。
経絡治療の会員の人で、講師にこのような質問をしたことがありますか?
もしなければ、是非質問をしてより良い治療法を見いだしてください。


研究者:佐々木啓泰
最終更新日 令和7年6月13日
 

●新経絡治療法の成人性アトピー性皮膚炎に対する効果について
成人性アトピー性皮膚炎は、小児のアトピーが改善せずに、成人まで引き続けている病気のことで、
西洋医学では、難病と見なされているほど困難な病気です。
ステロイド療法は、ご存知と思いますが、対症療法です。難病は治りません。

現在行われている2陰経を補う経絡治療では、成人性アトピー性ひふえんや
難病のベーチェット病によるアフター性口内炎などが全く改善しなかった理由を明らかにする。

何故2陰経の補法治療は間違っているのか?

臨床を通して69難の治療法を検証する

最近の異常な気候変化に加え、複雑な人間社会が与えるストレスの洪水は少しずつ知らない
うちに我々の身体内部を侵し続け、その結果様々な病を生み出しています。
このような環境の中で生活を強いられている身体や精神の異常が、どうして「69難」型の
治療方だけで解消出来るでしょうか。出来るわけがありません。
その解決方法は以下をご覧ください。
中国最古の医学書の一つに「黄帝内経霊枢」が有ります。
この書物の第10編の「経脈10」は、経絡治療家のみならず鍼灸を行う治療家全てに最も必須な編です。
この中で身体に分布している、経穴(つぼ)が、どの5臓6腑に属するかを明らかにし、
これらを14経脈と8奇経脈に分類し更に、経脈の内外を流れる気血の滞りが、5臓6腑に
及ぼす病について述べています。
この編の後に「経別11」と、言う編が続いています。
これは「経脈10」と同じ正経に属し、流注の途中から別れるために経別と呼ばれています。
流注の全て、下から上に流れ、陽経は「経脈10」の陽経と再び合流し、陰経は
その表裏の陽経に注いで終わります。
この「経別11」が、何故独立した編になったのか不明ですが、69、75、77、
81難型の治療法でほとんど改善しない病が驚く補と解消出来る事実を知って、鍼による
刺激に反応する身体の神秘さに感銘を受けています。
経別第11はここをクリック

  1. 難経の解説
  2. 難経75難について
  3. 経脈第十の解説
  4. 東洋医学
  5. 経絡治療
  6. 経筋第13の解説
  7. 症例集 腰痛、膝痛、など。
  8. 腰痛の経絡治療
  9. 難病アフター性口内炎の経絡治療
  10. 経絡治療法
  11. 黄帝内経「素問」の項目

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