難経の81難型の治療法にたどり着いた症例。
患者:中肉中背の60台の女性。
健康管理で通院している。
京都旅行でのハードすけじゅうるで疲れ少し膝の痛みを訴えました。
診察すると、右の膝の外側に少し炎症を感じ、若干浮腫も有りました。
75難型の治療を行って、痛みは解消し、炎症と浮腫はなくなりました。
しかし彼女の仕事の関係上、立ち仕事を矯正される上、その場所を離れることが
許されないために、膝に負担がかかり続けていました。
したがって、1週間後の来院時には、再び膝の痛みを訴えました。
2回の治療で、浮腫と炎症はなくなりました。
しかし、痛みは治療後には解消しますが、1週間後の来院時には再び痛みを訴えました。
それでも、徐々に痛みは解消の方向に向かっていました。
ところが、その後点滅している信号機を見て、急いで横断しようとした瞬間、膝を捻ってしまいました。
診察するとかなり膝に浮腫が有り、炎症を起こしていました。
それからの治療結果は、一進一退を繰り返しました。
筋肉の損傷について「Wikipedia」には以下のように記載されています(抜粋)。
「自家筋力の強力な筋収縮により筋肉の部分断裂がおこる。発生要因として、筋肉の疲労、
過去の損傷、ウォーミングアップの不足、急な気候の変化、体調不良、筋力のアンバランス、
柔軟性の欠如などが考えられます。
症状は自発痛や損傷筋の動作痛である。筋の収縮は可能であるが、疼痛のため動かすことが
できないこともある。
また損傷した筋の圧痛、ストレッチ痛や抵抗痛が認められる。」
4か月経っても膝痛は続いていました。
特に階段を下る時に痛みが強いとの事でしたので、
加齢による軟骨の減少が原因か、あるいは慢性化した可能性もありました。
脈診:肝虚脾実。
今回も肝虚脾実の証でした。今までも同じ証の69難型か75難型で治療を続けて来ました。
さすがに何か月も続いて同じ証で効果が表れないのは、どこかに間違いが有るかもしれないと思い始めました。
「難経」81の難にたどり着いたのはこのような背景がありました。
つまり彼女の膝痛は肺実肝虚の証でした。
結果は、思いもよらない効果を発揮しました。
翌週来院した患者さんによれば、痛みが半減し、楽になったとの事でした。
半年近く、治療を続けて来たにもかかわらず、一向に効果を現さなかった膝痛です。
「1回の治療で、本当に痛みが半減したの?」と、にわかに患者さんの言葉を信じられなかったのは当然でしょう。
私が驚いていると、
「実は治療中俯せになった時、既に膝が楽に伸ばせるようになったのです。」
患者さんの言葉でした。
結果、3回の治療で全快しました。
これが、「81難」型の解明を始める切っ掛けなった症例でした。
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半年以上解消出来なかった膝痛
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霊枢経脈第十の解説
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