初期ガンは発見できるか?
20数年前鍼灸学校在学中の時、Oリング・テストと言う自分にとってある物が必要か否かを
判定する方法を教えてもらいました。
この方法は現在アメリカ在住の大村恵昭博士の
発見によるものです。
仕組みついては詳しくありませんが以下のように記憶しています。
人類の祖先達が森の中で生活していた遠い時代、物を食べるために手で掴んだ時に、それが食べられる物であればしっかり握り、身体にとって害と判断すると手放しました。つまり手に触覚の機能があり食物か否かを決める手段の一つであったのでしょう。
その触覚の原始感覚が現在の我々の手先にも今も残っていることを大村博士が発見したのであると
聞かされました。
Oリングテストの方法は被験者の右手の親指と人差し指で輪を作り、左手の掌には検査する物を
載せます。
検査側の人は被験者の作った輪の中に人差し指を入れて左右に引っ張り輪を開くよう努力します。
同時に被験者は輪が開かないように努めます。
左の掌の中に乗せたものが健康で安全なものであれば輪が開かなくなり、逆に害のあるものであれば
輪が簡単に開きます。
この反応を応用して内臓の良し悪しが検査でき、ガンの有無も可能であると聞かされました。
以前、ガンの疑いが有ると医者から宣告された患者さんに試したことがありました。
しかしその時は経験不足も手伝って、ガンの有無は判断できませんでした。非常に微妙で患者さんの
指に力が入っているのか力が抜けているのかが良く分かりませんでした。
その後何度かガンの疑いがある患者さんに試してみましたがやはり明確に判ずることができません
でした。
この失敗の原因を考えていると、これがOリングテストの弱点と思いますが、被験者の感覚に
頼らざるを得ないことにあると気づきました。又同時に繰り返していると患者さんに疲労感が出て
きて力を意識的にぬくことです。
それに一度経験のある人ですと開閉の意味を理解しているために正確な結果が期待できないことで
した。そしてOリングテストはやめました。
その後、何人かのガン患者さんを診る機会がありました。その結果脈状の共通点に気付き、それが
ガンの脈ではないかと推察し研究しました。
ガンを宣告されたある患者さんを脈診すると、私が思っているガンを疑う脈状をしていました。
しかし治療後彼女の脈は平(普通の正常な脈)に変化しましたので、私はガンではないと告げました
その後、詳しい検査を受けるように言われていた彼女はガンセンターで再検査したところ、ガンであると
断定できず不明との診断を受けました。そして現在経過観察を行っています。
この診断結果は最初の病院が間違ったのか、あるいは最初からガンではなかったのか分かりません。
しかし下に記載した新潟大学医学部安保徹教授の「ガンと自律神経」について考察すると鍼治療に
全く効果はなかったとは言いきれません。
「顆粒球とリンパ球の割合は6対4が正常であるが 癌患者のそれは7対3 もしくは8対2まで
偏っている。リンパ球の割合が3割になると癌の侵攻が止り、3割を超えると癌の自然退縮が始まる。
リンパ球は副交感神経支配で増加する。」
鍼の経絡治療は患者さんの過緊張をゆるめ、リラックスさせます。つまり交換神経支配から副交感
神経支配に移行させます。
この事実から鍼治療はガンか否かの分岐点にある時、ガン化を防ぐのではないかと推量し同時に信じ
ました。
ところが今年の1月に長い間治療して来た患者さんの一人にガンが発見されました。それも私が
信じていたガンの脈状は、全く呈していません。この事実は私の脈状診では早期ガンはおろか
中期も見出せないことを意味します。
この事実は私を落胆させました。
今私はどうしたら早期ガンを発見できるかと考え続けています。
続きは
初期ガンの発見は可能か?その2
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