目次

  1. 症例1
  2. 腰痛の簡易検査法


患者:70台の女性。中肉中背。介護士。

介護の仕事は大変な負担で、腰痛を起こしている人がほとんどだと言っても過言ではありません。
彼女も例外なく、10年以上前に右の腰痛を起こしました。この間整形外科、接骨院、
鍼灸(経絡治療、低周波治療、刺激鍼など)を行なって来ましたが、一向に改善しませんでした。
むしろ、よりひどくなり、左の首から腰臀部脹脛にも痛みが広がり、腰の前屈が困難になり、
後屈は全く不可能となりました。
このような状態で当院を紹介されて来院しました。
所見
左の首から背中を通り臀部、大腿部の後側、脹脛の外側に痛み。左の股関節の痛み、
 右の仙腸関節の痛み。
証は腎虚でした。患者さんに「腎虚」と言うことを尋ねると何回かそのように言われて治療を受けたとの事でした。
しかし一向に改善せず、治療を他の医療専門家を探し求めて来たとの事でした。

下肢の伸展テストは、右はB、左は@Bでした。

1回目の治療:
証は 脾実腎虚の81難型でした。
治療後、全ての痛みは解消しました。

2回目の治療:1週間後でした。
左の首から脹脛に至症状と左の股関節痛は解消していました。
主訴は腰痛で、証は腎虚心実で75難型でした。
どこかに炎症があると思われます。

3回目の治療は再び1週間後でした。
 証は腎虚心実 77難型でした。
主訴は同じく腰痛でしたが、痛みは外側に移動し、腰椎の周りの痛みは解消していました。
炎症反応はなくなっていました。

4回目の治療は 同じく1週間後でした。
腰痛は解消していました。
主訴は首の痛みでした。
証は心実腎虚で75難型でした。 寝違えた覚えはないとのことでしたが首に何らかの炎症が有るのかもしれません。

腰痛はないとのことでしたが、腰椎の周辺に硬結が残っており、腰椎が左右に少し湾曲して
いるので首の痛みが解消すれば、再び発症すると思います。
首の痛みが激しいので腰痛を感じないのでしょう。
しかし、今まで、ほとんど反らすことが不可能であった腰が少し動くようになっていました。
そのために腰痛が緩和したのかもしれません。

5回目の治療も1週間後でした。
主訴は左の首から手にかけての痛みとしびれ。腰痛。

所見
腰痛は第2腰椎の位置で左右に広がっている。第5頸椎が後方に突出。第1腰椎が突出し、第2腰椎が凹んでいる。
証は脾実腎虚の81難型でした。
治療を初めてから、再び原発と思える腰痛に戻って来ました。
痛みが全身を一周しました。これから少しづつ腰痛が解消して行くと思えます。
痛みは最初に発症した処に少しづつ緩和しながら移って行くのです。

6回目の治療も1週間後に行いました。
主訴は背中の痛み。腰痛。
所見
だい9胸椎の周辺に痛み。背骨が後方に突出しているせいか?
証は肝実肺虚の77難型でした。
この証は未病治療法です。
治療後痛みは解消しました。
7回目の治療は2週間後でした。
主訴は特に有りませんでした。 診断は肺虚の69難の証でした。
これで治療を終了しました。
考察
上の症例のように、証は「腎虚」でしたが、難経の69難型による治療ではありませんでした。
つまり、最初の証は腎虚でしたが、69難型の腎経を補う方法ではこの腰痛は解消できません。

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