ベーチェット病によるアフター性口内炎の経絡治療その2
難病の本当の原因
鍼による経絡治療
ステロイドによる副作用
難病の本当の原因
新潟大学医学部名誉教授安保徹先生は、その著書「免疫革命」の中で、膠原病の真の原因を
以下のように述べています。(要約)。
「顆粒球は、交換神経が優位になると増え、増え過ぎると常在菌と闘って化膿性の炎症を
起こします。
しかし、細菌がない状態では、組織破壊の炎症を起こすのです。
膠原病は、顆粒球が、増え過ぎて、組織を攻撃し始めてしまった結果起こる病気です。
つまり、細菌による感染症になったから増えると言うケースとは関係なく、顆粒球はストレスに
より交換神経が亢進し、単独で増え、組織破壊を起こす、と言うメカニズムです。
現在の医学は膠原病わ、免疫が強すぎてつまり、リンパ球が増え過ぎて自己を攻撃していると
考えています。
従って免疫抑制剤、ステロイドなど、徹底して免疫を抑制する薬を治療に使ってきました。
膠原病わ免疫亢進の病だと捉えられていますので、
『免疫を抑制して炎症を抑えなければならない。』と、医療現場でわ全く逆治療を行っています。
その結果、何時までも治癒が得られない慢性病になってしまったのです。
免疫抑制剤やステロイド薬を使うと、一時的に現症が止まるので、 効き目があるように思われています。
その結果、ステロイドの害に対しての認識がどんどん薄れて行き、その使用も長期化しています。
そのため、患者さん達がステロイドの離脱をしようとすると、とてつもなく大変なのです。
離脱するために薬をやめるとリバウンドがきて、発熱や激しい炎症が起こります。それを
通り抜けなければ本当の治癒は得られません。
しかし、医療現場では余りに辛そうだから、と言って、安易に維持療法を続けているようです。
医師の中には、炎症が止まっているにもかかわらず、ステロイド維持治療を続けている人たちがいます。
そのような医師達は、膠原病の患者がいつも不調を訴えるのは、病気のせいと思い込んでいるようです。
激しい炎症が起こらないのだから、多少具合が悪くてもしかたがない。それが膠原病と言う難病
なのだから、 と思っているようです。」
上の記述が事実なのか否かは分かりません。
ただ言えることは、ステロイドや免疫抑制剤を使用している難病患者さんの病は慢性化して
決して治ることはないように思えます。
「ベーチェット病によるアフター性口内炎の経絡治療その1」で述べた患者さんは、30台に
ベーチェット病にかかり、徐々に視力が失われ、最終的に全盲になりました。また、骨粗鬆症に
なり腰椎の圧迫骨折を起こしました。更に、数か月ごとに繰り返す身体の炎症と痛みに耐え続けて
います。たとえステロイドや免疫抑制剤を継続的に服用しているにもかかわらずです。
その結果、病は徐々に悪化し改善する切っ掛けもなく進んで行くのでしょう。
しかし、ステロイドや免疫抑制剤に代わる治療方法が果たして、他に有るのでしょうか。
解答がないために、医者の言う通りのステロイド薬や免疫抑制剤の服用を、患者としては拒むことは
できないのです。
残念ながら、難病患者はこの事実を甘んじて受け入れなければならないのでしょう。
上で述べた患者さんは、4年前、近所の病院で左の下腿外側にできた結節性紅斑を単なる皮膚病と
診断されました。
当時の私は69難型の治療しか知りませんでしたので、このベーチェット病患者さんの痛みに対して、
全く手の施しようが有りませんでした。
痛みが一向に改善しないので、4か月に一度の大学病院の眼科の定期検査でそれを訴えましたところ、
C反応性蛋白(Crp)の値が極めて高く、そのまま入院させられました。
結果、半年近く放置している間に、炎症が腎臓まで侵していました。
ステロイド薬の大量投与して何とか回復しましたがしかしそれ以来ステロイドの継続的服用が始まりました。
約3か月の入院後、Crpが5mg/dlに下がりましたので、退院が許可されました。
退院時、ステロイド薬は20mg服用し、その量を続けていました。
退院後1年くらい経過した時、骨粗鬆症で第1腰椎の圧迫骨折を起こし、再入院を余儀なくされました。
主な原因はステロイド薬でした。
減らすように頼みましたが、中々Crp値が下がらないと言う理由からステロイド薬の服用は減りませんでした。
2か月の入院の後、退院しましたが暫く寝たきりの状態が続きました。
約8か月後、多量の薬の服用で嘔吐と下痢が繰り返し、食欲が減少し、体力が減退しました。
その結果、体重が約10kg減少しました。
その為か、顔にヘルペスが発生し食欲が全くなくなり再び入院しました。この時はベーチェット病の症状は有りませんでした。
1か月の入院後、退院しましたが、体力も体重も元には中々戻りませんでした。
骨粗鬆症が更に進んで来たのでステロイドを減らすことになりました。
ステロイド薬を減らし、代わりにイムランを25mg処方されました。
1か月後の血液検査で、CRP値が1に下がったので、ステロイド薬を減らし、代わりにイムランを
25mg増やしました。
ところが、イムランを服用すると、食欲不振が始まり、嘔吐と下痢が始まります。
その結果、体重が更に減少したので、それについて医者に尋ねました。
イムランを服用して嘔吐や下痢をする時は、一時的に服用をやめても良いとの許可をもらい
ました。
しばらくやめた後、食欲が少し出てきましたので、再びイムランを服用しました。しかしやはり
再び食欲が減り、下痢が始まりましたので疑問に思い、ウィキペディアでイムランを検索しました。
内容を知った時の驚きは、むしろ驚愕に近いものでした。
下の参考に述べましたが、イムランは猛毒と言っても過言ではありません。直ぐに服用を停止しなければ危険と結論しました。
「手術は成功したのですが・・・。」と、死亡した患者さんの遺族に言い訳を言っている
医者を時折見ることが有りますが、同じ発想なのでしょうか?
「炎症は収まったのですが、副作用が原因で・・・。」
安保 徹先生の主張している、膠原病の原因について顆粒球説が正しいのか否かの懸鐘さえ行われて
いる様子がないのは、何故なのでしょうか?
鍼による経絡治療
草木の芽生える頃は、よく体調を崩すと言われています。
この季節は朝夕の気温差が大きく、その差は10度近くあるいはそれ以上有りますので、
自律神経の調整機能が対応出来ないのかもしれません。
上で述べた患者さんは、毎年5月の前後1か月が最も体調を崩すそうです。
30台の頃は微熱、関節痛、結節性紅斑などに苦しみ、伏せがちでした。
2015年の今年は、4月の始めにベーチェット病の症状が出て来ました。例年に比べて1か月くらい
早いようで、日本の季節と応答しているのかもしれません。
最初の症状は左の膝関節の痛みでした。微熱も有りました。
診断すると、証は肺実心虚の75難型でした。この75難型の治療は、炎症を抑える刺鍼方法です。
治療後、全身の微熱は下がりました。膝の痛みはその時点では変化ありませんでしたが、二日あるいは3日経過して膝の痛みが少し収まって来ると今度は左の仙骨の外側下方に痛みが
出現して来ました。
診断結果は、心実腎虚の75難型でした。再び全身に微熱が出現していました。
治療後微熱は解消し、仙骨部の痛みはなくなりました。
仙骨の痛みが解消すると、次に左の肩甲骨の外側に、解消すると、左の肘で尺骨側に痛みが出現
すると言ったように疼痛は次々に移動しました。歯茎にも炎症が出現し、身体は微熱を伴い、まさに炎上状態でした。
ほぼ3週間の間は75難型の治療と移動する痛みと微熱との闘いでした。
関節痛が次第に解消し始めた頃、今度は右の頬に紅斑ができました。歯茎の痛みが解消したと、
思ったら、舌に口内炎が出現しました。
診断は今まで75難型の証でしたが、口内炎が出始めてから三日目に、腎虚脾実の81難型に
変化しました。
口内炎は4日ほど痛みが続きましたが、酷くならずに解消しました。
数日後、再び 左の膝に痛みが出現し、続いて翌日左の肘と肩先に痛みが出て来ました。
これらの痛みは結節性紅斑でした。相変わらず身体に微熱がありました。
診断は75難型で、治療後の紅斑の範囲は狭くなり、痛みも半減しました。
5月10日現在、左の肘関節付近に、小さい結節性紅斑が残り、軽い痛みを伴っていますが、
数日の内に自然解消するでしょう。
1週間ほど平穏な日が続き、毎年の季節の変わり目の体調不良はやっと乗り越えたと、
思った矢先でした。
5月19日に突然、38度の発熱でした。
ベーチェット病の熱ではないでしょうとの医者の見解で、血液検査と抗生物質の点滴を
行うことになりました。尿検査はできませんでした。
4日間点滴を続け、5月22日に体温がほぼ平熱に下がりましたので、尿と血液の再検査を
行いました。
翌週の月曜日、検査結果は全て陰性でした。体温も36、2度でした。
しかし、夕方になると体温は、再び38、7度に上昇しました。理由は不明です。
クリニックは休憩中でしたので、行く前に治療を行いました。
脈診は75難型の症状を呈していました。
治療後、熱は若干下がり、38度になりましたが、足の冷えが解消出来ず、寒さを訴えるので、灸を行いました。
治療後1時間経って足の冷えは解消しましたが、再び熱が38.7度に上昇しましたので、クリニックを再訪することにしました。
医者も原因が不明で、ベーチェット病の発作を思ってか、すぐにT大学病院に行くように
勧められました。
しかし本人は、寒気が解消し調子が良いとの事で、入院を拒みました。
体温を測ると、37度に下がっていましたのと、食欲が出てきましたので、少し様子をみることにしました。
驚いたことに、翌日になると36.2度の平熱に下がっていました。
以来、酷い痛みも、炎症もなく、平穏に経過しています。
鍼治療は、毎週1回程度続けています。
因みに現在ステロイドは2mg、イムランは服用していません。ステロイドの服用も
やめるように忠告していますが、過去に辛い経験をしているせいか中々完全に断ち切ることが
出来ないようです。患者さん本人は、2mgのステロイド薬を安定剤と思っているのかもしれません。
10月21日2015年現在、平穏な日が続いています。なんとかこのまま経過してくれればと願っています。
治療家のつぶやき22:81の難の発見につながる膝痛の治療
考察
4月の激しい痛みと炎症は、もしかしたらステロイドとイムランの離脱の結果リバウンドが
起こったのかもしれません。
余りに激しい発作だったので例年とは少し違うように思われましたが安定するまでそのことに
露気が付きませんでした。
左足の紅斑から腰椎圧迫骨折、ヘルペスと入退院の繰り返しが、強く脳裏に焼き付けたものは、
ステロイド薬と免疫抑制剤の服用をこのまま継続していると、退院後から再入院するまでの時間差が、
段々短くなって行くように感じられたことでした。その結果、徐々に体力が減少してゆくのでしょう。
イムランは直ぐに服用を止めました。そして、リバウンドを起こさないために、鍼治療を併用
しながら徐々にステロイド薬を減らすことを決断しました。
参考
ステロイドは健康人の副腎から分泌される1日平均約20mgのコルチゾールと同じものです。
治療として用いるステロイド薬は、健康な人が分泌するよりも多い量を使用するために、副作用が
出現するのです。
ステロイド薬は、強力な抗炎症作用、抗アレルギー作用があります。更に使用量が多くなると
免疫抑制作用があり、膠原病、気管支喘息、腎臓病、皮膚病、アレルギー疾患などの病気に
使われます。
ステロイドによる副作用
ステロイド薬は、副作用として感染症、消化性潰瘍、高血糖、糖尿病、高脂血症、動脈硬化、
骨粗鬆症、精神症状などの疾患を起こすことが有ります。
ステロイド薬を使用する多くの病気では免疫異常がその基礎にあります。ステロイド薬で
その免疫異常を改善する為に大量投与を行った場合には、正常の免疫も抑えられるために、
細菌やウイルス、カビなどの感染症にかかりやすくなります。
ステロイド薬の量が多いと、イライラしたり、精神的に不安定になり、不眠や興奮、不穏、時には
幻覚、妄想が出ることがあります。
他にも、ムーンフェイス、にきび、肌荒れ、毛深くなる、頭髪の脱毛、膵炎、緑内障、白内障等
多くの副作用が認められています。
イムラン
この薬は免疫抑制剤といわれるものでステロイド依存性のクローン病の緩解の導入とその維持、
ステロイド依存性潰瘍性大腸炎では緩解の維持効果が認められています。
しかしクローン病の場合は副腎皮質ステロイドとの併用が必要とされています。
なお、この様な症例において、この薬を再度使った場合、重い下痢が再発することがあります。
副作用
骨髄を障害して造血機能に影響を与えることがあります。そのほか肝障害、食欲不振、吐き気、
脳の障害、ときに悪性新生物(リンパ腫、皮膚がん、肉腫、子宮頸がん、急性骨髄性白血病、
骨髄異形成症候群など)などがあり、血液検査、肝、腎機能検査などを定期的に受けることが必要です。
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