治療家のつぶやき6
気功について
約20年以上前ですが、所沢市の障碍者リハビリセンター(国リハと略す)に卒後研修会で気功の
講座があったのででかけました。
当時私の気功に対する知識は身体に触れずに気を動かし血流を改善して体を健全にできるらしいと
言う程度でした。(もっとも今もあまり変わりは有りませんが。)
したがって気を動かす術を獲とくできれば、もう少し治療が改善するに違いないと思って出席
することにしました。
実験は以下のように行われました。
被験者は30センチ程の糸に5円玉を結び、その端を指でつまみます。手を少し前に出し、
動かないように固定します。
気功師は5円玉を結んだ糸をつまんでいる手の甲あたりに気を送るとしだいに5円玉が振り子の
ように動き始めると言うものでした。
最初の被験者の女性は次第に激しく動く5円玉に感動して「すごい、すごい」と叫び始めました。
私もその凄さに感動し、「もう一人実体験を望む人」との要請に進み出ました。
5円玉をつるした私の手はどのような気を受けるのかと緊張しました。
気功師は私の手の甲に掌を翳し、それからおもむろに前後に動かし始めました。
その時でした。気功師の指が私の手の甲にチョンと触れました。すると当然ですが5円玉が
動き始めました。
私の傍には国リハの先生が座っていました。講習会に集まった生徒は視力障碍者で、状況の
解説を担当していました。
「少しずつ動き始めました。」と、国リハの先生の説明に、20坪くらいの部屋に集まった30名
程のせいとは「ほお」と感嘆の声をあげました。
気功師の指は5円玉の振動に合わせて更に私の手の甲を突いて来ました。
「更に振動が大きくなりました。」
国リハの先生の状況説明に更に生徒のざわめきが一段と増してきました
ざわめきの増大につれて、しだいにわたしは腹が立って来ました。
「先生」と。私は気功師に向かって言いました。「先生の手が私の甲に触れています。」
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