治療家のつぶやき26:何故、鍼治療はガンに効かがないのか

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初めに 20年以上前のことですが、講習会で「鍼治療はガンには効き目が有りません」と、講師の先生
から言われました。
理由を尋ねると、答えは不明とのことでした。

今年2018年度ノーベル生理学・医学賞.を受賞した本庶佑(ほんじょ たすく(
先生の受賞理由は免疫チェックポイント阻害因子の発見とがん治療への応用でした。
Wikipediaより、その機序を述べると以下のとおりです。(抜粋)
「もしPD-1に対する抗体(抗PD-1抗体)を作製し、癌細胞より先にPD-1に結合させれば、
癌細胞のPD-L1は抗体に邪魔されてPD-1に結合できない。すると癌に対するT細胞の免疫が
抑制されず、癌細胞が免疫から逃れることができなくなる。その結果癌細胞は、T細胞の
免疫反応により排除される(原論文)。」

ガン細胞が持つPD-L1が、免疫細胞の持つPD-1と結合すると、
免疫細胞特にキラーT細胞はガン細胞を異物と判断しなくなり、
その結果ガン細胞はキラーT細胞からの攻撃を免れて増殖し続けることになります。
したがって、ガンに侵された身体は、鍼治療では回復できないのです。

鍼治療は研究の結果白血球の増殖が承認されています。つまり、自然治癒力が増
し、免疫効果が増大します。
しかし、上述したように、ガン細胞は免疫細胞と結合するために、鍼による免疫力の増大にかかわらず効果がないことが判明しました。
では鍼治療は、全くガン細胞に対して何の手の施しようもないのでしょうか。

本庶先生の理論から開発されたオプジーボは抗がん剤のように直接ガン細胞を攻撃する
わけではなく、抗PD1抗体として 免疫細胞のPDと結合するために癌細胞が結合できず
その結果、免疫細胞はガン細胞を攻撃できるのです。

このような事実をふまえると、ガンに侵される前に、鍼灸の治療を受けて、免疫力を
高めることが必要です。自然治癒力を増大した身体にしておくべきでしょう。
また、ガンになった後でも、オプジーボの治療を受けて、ガン細胞が免疫細胞から切り
離された後、免疫力を増大する治療法として鍼治療を行うことがガンに侵されない
方法の一つと思います。
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