治療家のつぶやき11:頭痛について


目次


頭痛

講習会で先生が今までに頭痛を起こしたことのない人は治療家になってはいけない。と言う意味の
ことを言われていました。
頭痛は日常ありふれた病ですが、耐え難い苦痛を伴うものです。したがって頭痛の苦しみを
理解できない治療家は患者さんの気持ちが分からないとの意味でした。

当院を訪れる患者さんの少なくとも約2割は随伴症状として頭痛を持っています。
以前、バッグに鎮痛剤を常に持参していると言う患者さんの何と多いだろうかと驚いた
ことがありました。

最近は薬物乱用による頭痛が話題になっています。
これは頭痛の度に服用を繰り返しているうちに依存体質に陥り、服用した薬が脳神経を刺激し、
それが再び頭痛の原因になると言った悪循環を繰り返すと、言うものです。

頭痛は一時性と二次性の2種類有ります。
二次性の頭痛は脳血管障害や脳腫瘍などで二次的に起こした頭痛を言います。この症状は経験
したことがないほどの痛みを伴うと言われています。このような頭痛を感じたらすぐに救急車で
入院しなければ危険です。

慢性の一時性頭痛は大きく分けて緊張性頭痛、群発頭痛、偏頭痛の三つに分けられます。
緊張性頭痛
緊張性頭痛は頭痛のタイプの約90%を占めています。人口の約3%は慢性的緊張性頭痛と、
言われています。
首の後ろや肩などの筋肉が収縮・緊張して起こる頭痛で、雨天などの天候や精神的ストレスが
きっかけとなる場合も少なくないと言われています。

「霊枢」第10経脈編の膀胱経には以下のような記述が有ります。

「頭痛がし、目をえぐるような痛み、項を抜くような痛み、背骨は痛み、腰は折れるような痛みで
股は曲げられず、膝裏は引き攣れ脹脛は裂けるような痛みである。」
想像するだけで気が狂いそうな感じですが、これは病の中で、是動(ぜどう)病ですから治療は
比較的簡単に治ります。
これは緊張性の頭痛と言われていますが、群発頭痛も含むのではないかと思っています。しかし
まだ群発頭痛の患者さんに出会ったことがないので分かりません
群発頭痛
発症のメカニズムについてはまだ明らかにされていなせん
群発頭痛の最大の特徴は1年から3 - 4年に数回程度、1か月から3か月に渡る毎日のように
決まった時間に発症する場合が多く、群発地震のようにある時期に固まって起きることから
このような名前がつけられています。
痛みは激痛で目玉をエグられるような感じと言われています。

片頭痛

偏頭痛は激しい運動後や緊張がなくなった後や休日で緊張から解放された時などに起こりやすく、
悪心(吐き気)・めまい・食欲不振などを伴うこともあり、又視覚暗点・閃輝暗点など前兆を伴う
こともあります。
頭の片側もしくは両側の側頭部に拍動性の頭痛です。発作は通常月に1、2回有り、発作が始まると
数時間から2、3日継続することがあります。
片頭痛の発生メカニズムについてはまだ解明されていませんが、有力な説は三叉神経血管説と、
言われています。
ストレス・緊張などによりセロトニンが多量に放出され、脳内の血管を収縮させます。時間の
経過と共にセロトニンが分解・排泄されて減少すると、一度収縮した血管が逆に広がりはじめる
ようになり、その時傍を走る三叉神経に触れその刺激が痛みとして自覚すると言う説です。
女性に多いことから女性ホルモンの変動がかかわっているとも考えられています。
この偏頭痛は経絡治療が最も適しています。全身の治療をして自律神経を調整すれば治ります。
ある患者さんがテレビや雑誌などで偏頭痛で苦しんでいるひとをみると「鍼をすれば良いのに。
教えてあげたいわ。」と言っていました。
もしあなたが薬つけを避けたいのであれば鍼の経絡治療を受けてみるのも一計です。

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