目次
緊張性頭痛
群発性頭痛
片頭痛
経脈10に見られる頭痛
二次性頭痛
緊張性頭痛の症例
77難型の症例
群発性様頭痛の症例
頭痛は日常ありふれた病ですが、耐え難い苦痛を伴うものです。
最近は薬物乱用による頭痛が話題になっています。
これは頭痛の初期段階で服用した薬の効き目が良かったことから始まります。
しかし、頭痛の度に薬を安易に服用を続けたために、何時も効いていた市販薬の効き目が
悪くなり、しだいに薬の持続時間が短くなって来ます。
その結果、服用した薬が脳神経を刺激し、それが再び頭痛の原因になると言った悪循環に
陥ると、言うものです。
市販の頭痛薬を飲み始める切っ掛けは、寝不足やストレスで頭痛を起こし、服用した結果スッキリ
解消したために薬の依存度が増し、結果薬物依存が始まったのです。
安易な鎮痛剤の服用は慎重にして下さい。
頭痛は大きく分けて、一次性と二次性の2種類有ります。
一次性の頭痛
慢性の一次性頭痛は大きく分けて緊張性頭痛、群発頭痛、偏頭痛の三つに分けられます。
緊張性頭痛は、首の後ろや肩などの筋肉が収縮・緊張して起こる頭痛で、雨天などの天候や精神的
ストレスがきっかけとなる場合も少なくないと言われています。
緊張性頭痛は頭痛のタイプの約90%を占めています。人口の約3%は慢性的緊張性頭痛と、
言われています。
緊張性頭痛を引き起こす原因
ストレス(通常は長期間のストレス)、勤務後の時間帯や試験後、睡眠不足、悪い姿勢、
不規則な食事の時間、目の疲れなどである。
群発性頭痛は、周期的に発生し、頭痛のうちで最も痛みが強く、痛む部位は眼球の奥である。
発症のメカニズムについてはまだまだ明らかにされていない点が多いが、頭部の血管の拡張が関わっているのではないかと考えられている。
群発頭痛の最大の特徴は1年から3 - 4年に数回程度、1か月から3か月に渡る「群発期」に毎日のように決まった時間に発症する場合が多い。
群発地震のようにある時期に固まって起きることから、群発頭痛と言われている。
痛みは数ある頭痛の中で群を抜き、目玉をえぐられるような痛みと訴える患者が多いい。
目の後ろを通っている血管が拡張して炎症を引き起こすため、目の奥の痛みを自覚するようである。
涙腺のはたらきや瞳孔の大きさをコントロールしている自律神経が刺激されて、涙・鼻水が出る、
瞳孔が小さくなるといった症状を伴うこともある。
吐き気を伴う場合もある。
男性に多いのも特徴です。
片頭痛は激しい運動後や緊張がなくなった後や休日で緊張から解放された時などに起こりやすいと
言われています。
片頭痛の発生メカニズムについてはまだ解明されていませんが、有力な説は三叉神経血管説と
言われています。
ストレス・緊張などにより脳が刺激を受けると、血液成分である血小板から血管を収縮させる作用を持つ
セロトニンが多量に放出され、脳内の血管を収縮させます。
時間の経過と共にセロトニンが分解・排泄されて減少すると、一度収縮した血管が逆に広がり
始めるようになり、その時傍を走る三叉神経に触れその刺激が痛みとして自覚すると言う説です。
女性に多いことから女性ホルモンのエストロゲンの変動により偏頭痛をおこしやすいとも考えられています。
前触れとして、視界に何かチラチラ・ギラギラするものが拡がったり(閃輝暗点)、手足の
しびれ・脱力を感じたり、言葉の喋りにくさが起こったりすることがあります。
悪心(吐き気)・めまい・食欲不振などを伴うこともあり、
又音の刺激で悪化したり(光過敏・音過敏)、匂いに敏感になったりすることもあります。
頭の片側もしくは両側の側頭部に拍動性の頭痛をおこします。
発作は通常月に1、2回有り、発作が始まると数時間から2、3日継続することがあり、
日常生活に支障をきたすことが多い。
経脈10に見られる 頭痛
中国最古の医学書の一つ「霊枢」の経脈10編にある膀胱経には、この経が侵された時の病症が述べられています。
以下その抜粋です。
「膀胱は足の太陽なり。これ動ずれば、病頭衝いて痛む。
目は脱くに似たり。項は抜くがごとし。脊は痛み、腰は折に似たり。髀は曲らず。膕(膝裏)は
結るごとし。脹脛は裂るがごとし。これを踝厥(かけつ)と為す。」
(要約:「外邪が膀胱経を侵犯して生じる病は上気して頭痛し、眼球はくり抜くようないたみを
生じ、首は抜けるような痛みがあり、背骨は痛み、腰は折れるような痛みを起こし、大腿部は
曲らず。膝は屈伸出来ず、脹脛は裂けるような痛みを生じる。
これを踝厥と言い、踝を冷やしたことで生じる病です。)
これらの症状を聞くといかにも大変な病のように思えますが、この病は、「是動病」と、
言って比較的容易に経絡治療で解消できます。
これらの症状を考察すると、群発性頭痛に似ているように思えますが、確証できません。
二次性頭痛
鍼灸治療による頭痛は大変効果があります。当院を訪れた患者さんの3割は頭痛持ちでした。
現在通院している患者さんには頭痛はありません。
ある患者さんですが、鍼灸治療を受ける前は、突然の頭痛に悩まされ常時ハンドバッグに市販の鎮痛剤を持参して対処していたそうです。
頭痛から解放された患者さんはこれだけで助かっていると言ってくれます。
二次性の頭痛は鍼灸の対象外です。
鍼灸治療を受ける前に、必ず検査を受けて、くも膜下出血、脳動脈解離、脳血管攣縮や
脳腫瘍などによる、「危険な頭痛」ではないことを確認して下さい。
しかし、たとえ片頭痛や群発頭痛の痛みが激しくても、それが今まで時々あった種類の 痛みであれば、危険な頭痛ではないと言えます。
一方、いつもと痛みかたが異なる頭痛、日に日に頻度と程度が増していく頭痛などの場合は、
「危険な頭痛」の可能性があります。
脳などの病気で起こる二次性の代表格は、くも膜下出血です。
典型的な症状は「今まで経験したことがない突然の激しい頭痛」で、意識を失うこともあります。
バットで突然頭を叩かれたような激しい衝撃感、気が遠くなる感じや、めまい感などの異変が、
いきなり起こることが特徴です。
くも膜下出血の多くは、脳動脈瘤(どうびゃくりゅう)という血管のコブが破裂することで起こります。
また最近、脳動脈の解離による頭痛の患者さんの頻度が増えているといわれます。
脳動脈解離による動脈瘤は、椎骨動脈という脳の後方へ行く血管にできることが非常に多く、
急性に後頭部の比較的強い痛みを生じます。
脳腫瘍による頭痛は、突然に起こることはあまりなく、数週刊から数か月かけて徐々に
強くなっていくことがあります。
頭痛に手足のシビレやマヒ、眼の見えにくさ、けいれんなどの神経症状を伴うときは、
緊急に受診を行って下さい。
その他の二次性の頭痛としては、髄膜炎、高血圧、低酸素血症、病気によるものなどがあります。
精神状態の変調を伴う頭痛、発熱・嘔吐などを伴う頭痛など
これらの症状が有る場合は、「危険な頭痛」かもしれません。
受診を行うことをお勧めします。
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