ガンの経絡治療

目次

  1. 癌にならない6箇条
  2. 症例

免疫学の権威、新潟大学医学部大学院教授安保徹氏は「免疫からみた心と体」について以下
の ように述べています。
 心は自分の考えとか行動でのみ決まるものではなくむしろ自然現象によることが多い。
  その内最も影響の強いものが大気圧である。大気圧は常に1気圧ではなく常に揺れ動いて
いる。例えば天気の良い日は気分が良く また曇りや雨の日は気分が悪い。
 天気の良い日は高気圧におおわれ、空気が重く上昇気流がなく晴れることで
ある。 即ち空気がたくさんあるつまり酸素が多いことである。具体的には
天気が良い時は気分が良く脈が速くなっている。
 逆に低気圧の時は空気が軽いわけで上昇気流が出来て雲が出来る。持ち応えることが
出来なくなって雨が降る。この時は空気が薄く酸素も 少ない。薄い酸素を吸って
しょんぼりして元気がなく、脈が少ない。
 私達の心は大気圧によって揺さぶられており、 大気圧は太陽エネルギーによって一番影響
を受けている。暖められると上昇気流が発生し、雲が出来、雨がふりと今度は晴れると言った
繰り返しによる あるリズムを作っており、 そのリズムによって我々の体調が変わり 心
の持ち方が 変ってくる。
   例えば梅雨時に体調が悪いのは、低気圧が続いているせいである。また天気が続くと、
元気も続いて来る。これも高気圧が続いたためである。
 つまり感情の起伏は自然現象により決定される。その影響は6割以上ある。
心の動きと体の関係

心の動きは自律神経により支配されている。言い換えれば気圧の変化が自律神経にも、影響
していると言える。
従って全細胞の活動は勿論、体を守る白血球にも影響している。
白血球の中で一番数の多いのが、顆粒球で約6割あり、異物や細菌を食べた後死亡して膿と
なる。
 一方リンパ球は、顆粒球では細菌よりも小さな物、異種蛋白・ウイルス・リケッチャーなど、
飲み込めない異物から身体を守ろうとして生まれました。
 つまり小さな異物を凝集させて捕らえようとする形がリンパ球であり、これが免疫作用です。
 白血球の割合は6、7割が顆粒球で残りの3、4割がリンパ球であり、 この割合も自律
神経が支配しており、体調により割合が決められている。
  交感神経は活動時に優位に働き、副交感神経は食後や寝ている時などリラックスしている時に
優位に作用する自律神経です。
 顆粒球は交感神経に属し、リンパ球は副交感神経に属します。
この理由として私達動物が活動する時は手足が傷つきやすく、細菌が入りやすい。だからそのような
動物は顆粒球を多く準備して防御態勢をとる必要性があった。
 一方リンパ球は本来消化管の周りで発達した。それは異物は口からが最も入りやすい。
食べ物の中にウイルスとかリケッチャー、異種蛋白など危険な物が入って来るという理由で
リンパ球が消化管を取り巻いたのであろう。そして消化管は副交感神経によって支配されて
います。

リラックスしたり笑ったりしたら免疫が高まりリンパ球が増える。
 体調のすぐれない時や仕事で疲れて ストレスの多い時は白血球の割合は顆粒球と
リンパ球の割合が7対3とか 8対2といったように極端になります。
 私達の生き方が極端になると過剰反応をおこす
顆粒球は骨髄で作られ血中に出て粘膜で死んでいます。
過剰反応は粘膜に押しかけ過ぎて細菌処理に使う消化酵素や活性酸素が出すぎて粘膜を破壊する病気になります。
 活性酸素の一番のもとは顆粒球である。顆粒球の多い人は色が黒い。頑張りやさんは色が
黒い。色の黒さは紫外線の影響だけではない。内部から出る活性酸素でも皮膚のメラニンの
量が決まる。頑張り過ぎると顆粒球の出す活性酸素色が黒くなる。
 一方リンパ球が多い人は色白でふくよかであり 免疫機能が高いということであるが、行き
過ぎると過剰反応をおこし抗原に反応して、アレルギーを発生したり、ストレスに過剰反応
する。
顆粒球の過剰反応は粘膜に起きやすく粘膜を破壊される病気 具体的には潰瘍性大腸炎・
胃潰瘍・歯槽膿漏・痔などである。

ストレスと癌との関係

 癌の発生母体は総て再生上皮である。この部分には常に常在菌が存在しており、顆粒球
が攻撃しやすい場所である。つまり顆粒球が常在菌を攻撃し、活性酸素で再生上皮を壊し常に
上皮の再生が刺激されるのである。
 頑張り過ぎや悩みの多い人は、顆粒球がいつも多く、常に粘膜の再生が引き起こされてしまう。
  癌遺伝子はそもそも正常な再生上皮の増殖関連遺伝子であった。本来顆粒球とリンパ球の
割合は6対4が正常であるが 癌患者のそれは7対3 もしくは8対2まで偏っている。リンパ
球の割合が3割になると癌の侵攻が止り、3割を超えると癌の自然退縮が始まる。

ストレスが癌の発生の引き金になる。

癌 患者の多くは顔色が悪く手足の冷えがある。血液の循環が悪く交感神経の緊張常態である。

癌にならない6箇条
 「すべては免疫力で決まる」の中で著者の安保徹氏は、癌にならない方法と治す方法を以下のように述べています。
1. 働き過ぎをやめ、十分な睡眠をとる。
2.心の悩みをかかえない。
3.腸の働きを高める
4. 血行を良くする
5. 薬ずけから逃れる。
6. 癌検診は受けない。
癌を治すための4か条
1. 生活パターンを見直す。
2. 癌への恐怖から逃れる。
3. 免疫を抑制するような治療は受けない。受けている場合はやめる。
4.積極的に副交感神経を刺激すること。

以上が安保徹先生がとなえる癌にならないあるいは癌を治する方法ですが、6か条の中で
2、3、4は鍼灸(経絡治療)の適応症です。また(1)の睡眠についても治療後の心身のリラックスは睡眠効果があります。
 仮に癌になったとしても「癌を治す4か条」の中で述べているように、鍼灸の効果は免疫力
を高め緊張させる交感神経の優位を下げ、副交感神経を高めます。
症例1
 過去10年の間に20数名の末期癌を含めた癌患者さん(父を含め)の治療をさせて頂きま
した。その結果はある共通した脈状に気が付きましたが、多くの治療家が唱える「こう脈」(葱を
輪切りにし上から軽くおさえた時、中空の脈で出欠の時の脈)とは大分違っていました。
 私が気付いた脈状が癌の脈ですとは証明出来ませんが、そうであると確信しています。
父の事
 父の余命が半年と宣言されたと姉から連絡があり、原発は前立腺の癌との事でした。既に
全身に転移して手術の施しようがないとの理由で、自宅療養に決まりました。告知はしていない
と言うので、少し腰痛を訴えているので治療を理由にして最後の別れを覚悟して帰省しました。
2階ほど治療しました。腰痛は大分楽になりましたが、癌の脈状は完全には正常な脈には戻りませんでした。
もっとも脈状が変化して正常にもどれば癌ではないか、あるいは治癒します。
 帰京後しばらくして、姉から連絡が有り、月1回の定期的検診をかねた治療に行って来たが、
癌細胞が減少しているとの事で医者が不思議がっているとの事でした。
 理由は今でも不明です。姉が高価な深海鮫の肝油をセッセと飲ませていたせいか、あるいは
鍼治療の効果が有ったのか、分かりません。
それはともかく、医者の告知よりも2年以上苦しまずに延命出来たのは幸いでした。

72歳の男性の事。
肝臓ガンで免疫治療を受けていました。この治療はリュウマチ様の痛みを発生するらしく、苦痛を訴えての来院でした。
 鍼治療は効果的に作用し、苦痛は解消しました。
 しかし彼は完治を望んでいて延命的治療には興味を示さず、常に何か良い治療方はないかと
新聞雑誌を読み漁っていました。
 週1回のペースで2ヶ月ほど経った頃、四国のある病院が新しいガン治療を始めたと言って、
彼は出かけました、
 1ヶ月半過ぎた頃再び彼は痛みを訴えて来院しました。新治療は彼にとってあまり効果は
なかったそうです。
そして相変わらず新聞雑誌をむさぼっていました。
 このような行動を3回繰り返した後、音沙汰がなくなりました。
 およそ半年以上過ぎた頃、突然治療をして欲しいと彼の家族から電話が有りました。
 入室した彼を見た時の私の驚きは尋常ではありませんでした。点滴を吊下げたキャスターを引きながら、家族の介護なしではまともに歩行できないほど弱っていたのです。
「アルコール注入方」と言う治療を受けたそうで、3クールの内の1回を終えたところでした。
この治療はとても苦しく一気に体力を失ったそうです。しかし家族の反対にもかかわらずこの
治療を続けると言って全く耳をかそうとしません。
 結局3クールを終えましたが良くなるどころか一気に体力を失い寝たきりになってしまい
ました。
 2度ほど訪問治療を頼まれて治療を試みましたが、脈状は全く変化なく、痛みもほとんど
解消しなかったのではないでしょうか。我慢強い人だったので一度も苦痛は訴えませんでした。

腎臓ガンと診断された女性のこと
58歳の女性。偏頭痛とうつ状態が長く続き来院しました。
 心療内科で鎮痛剤、精神安定剤と眠剤を処方されていました。しかし3年かかっていても改善
する様子がなく、友人の紹介を思い出して藁を掴む思いだったそうです。
頭痛は治療後すぐに解消しました。しかしこの効果は最初は1、2日しか効果はないことを予め
納得して頂きました。しかし継続的な頭痛からの開放はたとえ一時的にでもホットする瞬間だそうです。
3ヶ月ほどで頭痛はかなり解消し週1回程度に治まりました。
治療を継続中、胃の不快感を訴えるようになりました。多くの場合、主訴が治まると次に痛む所を自覚するようになります。薬づけと精神的ストレスが原因の痛みと軽く考えていました。
 中々痛みが解消しないので、近所の総合病院で診察しました。その結果腎臓ガンとしんだんされました。
初心の頃私は少し不安が有りました。ガンの脈状に似た脈をしていたのです。しかし治療後脈状は正常になるので、あまり意識はしていませんでした。従って、検査結果がガンであったと聞いてもあまり驚きませんでした。
この日の脈状もガンに近い脈でしたが治療後脈状は正常に変化しましたので、たとえガンであったとしても治癒すると確信しました。
だから治療後、ガンではありませんと断言したのは当然でした。
 その後総合病院から、診断結果が不明なのでガンセンターで再検査をするように言われ、2回検査を受けました。 そして約2ヵ月後に、ガンではないと確定しました。
 このケースは初めからガンでなかったか、放置しているとガン細胞が成長して行き、取り返し
出来ない状態になったのか、あるいは安保先生が言うリンパ球の増加によってガン細胞が駆逐されたのか不明です。
 ただ私的な見解を言うならば、放置していると、ガン細胞が増殖して行く分岐点ではなかったのか
と思える症例でした。
。、

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